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2022.03.09

【特別インタビュー】1年中が 繁忙期 に!? 入居者対応の傾向と賃貸管理会社がとるべき対策は?

入居者対応の繁忙期は春秋だけ、と思っていませんか? 現場が抱える業務の課題を、オーナーズエージェントの経営企画部部長 先原秀和さんに聞きました。(インタビュアー:岡部恵子)

  • 先原 秀和

    オーナーズエージェント株式会社 経営企画部部長

    不動産売買仲介、分譲マンション管理の経験を経て、賃貸管理業界へ。事業統括責任者として活躍する一方、コンサルタントとしての信頼も厚い。2019~2021年度IREM JAPAN会長を務める。

2~3月は賃貸管理の繁忙期。オーナー様へのフォローが手薄になりやすい時期ですね。

先原:入退去が重なるこの時期は、入居者対応に時間を取られてオーナー様への訪問や提案が後回しになってしまう…というお悩みは、管理会社の経営者様からもよく伺う話ですね。

ただ、賃貸管理会社としては、オーナー様からお預かりしている物件の空室期間を短くすることも重要課題ですから、退去後速やかに原状回復を行い、募集をかけて…と、2~3月の春の繁忙期に、まずは空室解消のための業務に注力するのは当然のことです。この期間が終わったら改めてオーナー様に提案をしたり、新規物件を開拓したりする時間を取ればいい、と考える経営者様も多いようです。

ただ、昨今の状況を見るに、4月に入っても現場は「時間にゆとりができた」という気分にはなれないのではないでしょうか。

春の繁忙期が終わっても、実際の現場には余裕が生まれないということですか?

先原:現場の皆さんは痛感していらっしゃると思いますが、2~3月が過ぎてもすぐに入居者対応が落ち着くわけではなく、今度は入居後の不具合対応が始まります。いわゆる「入居時不具合」の対応です。じゅうぶん気を付けているつもりではあるのですが、繁忙期は業者も管理担当者もとにかく忙しいため、原状回復工事などで不備の見逃しが起こりがちなんですね。

例えば「ガスがつかない」というお問い合わせを受けて調べてみたら、ガスコンロのクリーニングができていなかった…ということも結構あります。内見時に「入居までには直しますから」と案内した修理が、実際には直っていなかったというのもよくある話です。

ですから、4月からその不具合を1つひとつ潰していかなければなりません。また新社会人や学生など、不慣れな新生活をはじめた人を中心に、騒音などのトラブルが多発する時期でもあります。こういった入居後の不具合やトラブルが解消するのは、2ヶ月後の5月半ばくらいでしょうか。

6月に入ると業務は少し落ち着きますが、7月にはすぐに次の大きな波がやってきます。現場からすると、実は2~3月とほぼ変わらないくらい、問い合わせが多く入ってくる繁忙期です。その主な原因となるのが、エアコン故障と豪雨です。暑くなってエアコンをつけたら調子が悪かった…というエアコンの不具合対応が急増し、さらには集中豪雨などの災害対応も集中してしまうんです。

7~9月の災害対応の後にはまた秋の入退去が始まり、11月には少し落ち着きますが、12月にはまた早期合格の学生を中心に退去のご案内が盛り上がって春の繁忙期へ…、このように賃貸管理の、特に現場対応の部署の一年は目まぐるしく過ぎていきます。ピークは確かに仲介部門の繁忙期と同じですが、管理部門のそれは長さ・頻度ともにまるで違うのです。

年間を通して見ると、目立った項目のない月は6月と11月くらいですね。

先原:かつては8月も比較的対応が少ない時期でしたが、近年は「2021年8月豪雨」のように大きな災害が起きる可能性も増え、気が抜けない時期になりました。

10月にも強い台風か多く発生するようになったことから、被害が秋の転入居と重なると、現場はますます多忙になることが予想されます。

また、ここのところ地震が発生する頻度も高くなっていますから、「管理における繁忙期」がいつ生まれるかわからない可能性もあるわけです。

賃貸管理の現場における年間の動向

コロナ禍の入居者対応では、どのような動きがありましたか?

先原:プロコール24の統計では、コロナ禍の2020年は転居控えから入退去の手続きが減りました。

その一方で、入居者様の在宅時間が増えたことから騒音やゴミなどに対するクレームが増え、入電数は前年に比べて全体的に増加しています。閑散期である夏のシーズンに、繁忙期とほとんど差がないくらい電話が鳴ったことは、大きな特徴の一つだと言えますね。

2019年、2020年のプロコール24入電数推移

2022年以降は、コロナ禍が収束したからといって決して以前と同じ状態に戻るわけではありません。企業のリモートワークがある程度定着していることから、昼間の在宅者などはコロナ前より増えるでしょうし、今後もクレームは増加したまま推移していくものと思われます。

また、2021年末~22年にかけては、コロナ禍による半導体不足から、給湯器や温水洗浄便座などの調達が難しい状態が続きました。さらにはロシア・ウクライナ問題も発生し、世界中でさまざまな製品の製造・取引・輸送への影響が懸念されています。今後も日本国内だけでなく、他国での問題がエアコンなどを始めとする住宅設備に影響を及ぼし、入居者対応が滞るケースが起こりうることを念頭に置くべきかもしれません。

入居者対応の負担は、今後さらに見えづらくなる可能性があるということですね。

先原:そうですね。突発的な災害などを含め、一年を通して管理会社の閑散期はより短くなっていく可能性もあります。ごく限られた時期しか余裕がなく、不測の事態に手を取られかねない状態では、オーナー様の経営状況の改善や新しいニーズの掘り起こしはもちろん、社内の業務改善や教育など、将来的に会社のプラスになるような業務に取り掛かるのは難しいのではないでしょうか。

なんだかんだで忙しくしているうちに、今年も生産的な業務ができなかった…という悪循環をどう断ち切るかが、成長できる会社とそうでない会社との明暗を分けそうです。
入居者からの電話の対応をはじめ、管理の実務から切り離せる業務は積極的にアウトソーシングして、社員には成長性のある業務に注力できる余力や環境を作る、という考え方も必要になってくるのではないかと思います。

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